運用アナリスト /両澤 角樹
世界的な金融緩和の縮小見直しと日本銀行によるイールドカーブ・コントロールの微修正は、金利上昇期待を打ち砕き、生保の運用戦略を、数年前のものに押し戻しているように見える。逆ザヤの泥沼への再転落を回避する観点からは、なんらかのリスクを取る〝サーチフォーイールド〞が必要になる。巨大な鈍牛が動き始めたとき、マーケットが高値から崩落することが多いのは、決して過去の記憶にある残像だけではないのかもしれない。
もろさわ かどき
日本の資産運用に関して危惧する荒野で呼ばわる者。機関投資家のみならず、個人投資家の運用に関しても、建設的な視点から将来の運用のあり方を考えることがモットー。かつては投資家であり、いまでも、複数のアセットオーナーへの運用助言などに関与する。
掲載号 /週刊金融財政事情 2019年5月20日号