特集金融を成長軸に据える通信キャリア

金融サービスの全面展開で顧客を囲い込む通信会社の経済圏戦略

日常的な顧客接点としての「決済」を軸に金融事業を強化

矢野経済研究所 ICT・金融ユニット 研究員 /川口 御生

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NTTドコモとKDDI、ソフトバンク、楽天の通信キャリア4陣営による金融戦略は、転換点を迎えている。各陣営はこれまで、コード決済やクレジットカードの加盟店網を広げることでサービスの利便性を高めるとともに、大規模なポイント還元キャンペーンなどを通じて顧客基盤を拡大してきた。しかし足元では、決済サービスを日常的な顧客接点としながら、金融サービス全体の利用につなげて顧客を囲い込む方向にシフトしつつある。本稿では、PayPayと楽天ペイメント/楽天カード、NTTドコモ・フィナンシャルグループ(FG)、auフィナンシャルサービスの4陣営が担う金融事業を比較し、経済圏の違いを整理した上で、決済サービスを起点とした経済圏戦略の行方を展望する。

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かわぐち みあれ
25年に矢野経済研究所に入社後、主にキャッシュレス決済業界の市場調査、分析業務を担い、「2026年版 電子マネー/コード決済市場の実態と展望」等のレポートを担当。