高まる人口減少への危機感や、金融庁による再編支援制度の整備等を背景に、地域金融機関では再編の機運が高まっている。そうしたなか、地銀再編の“ホットスポット”ともいえるのが、愛知県を中心とする東海圏(他に静岡県・岐阜県・三重県)だ。今年3月27日にしずおかフィナンシャルグループ(FG)と名古屋銀行が経営統合の基本合意を発表。そのわずか1カ月半後の5月13日に、あいちFGと三十三FGが経営統合の基本合意を発表した。それぞれの統合予定時期は、しずおかFG・名古屋銀行が2028年4月、あいちFGと三十三FGがそれよりも1年早い27年4月だ。同地域で立て続けに起こった県をまたぐ再編の背景には、日本銀行の段階的利上げや、名古屋を中心とした金利競争の激しい地域事情がある。加えて、経営基盤や規模を周囲に先んじて強化したい銀行の思惑や、株式取得を通じて銀行経営にプレッシャーをかけたいアクティビストの存在など、さまざまな要素が絡む。まさに「地銀越境再編」活発化の縮図といえる。
掲載号 /週刊金融財政事情 2026年7月21日号