コロナ禍で一時的に弾力化された公租公課の納付。その後、経済正常化に伴って急増した「公租公課倒産」への対応として、官民の情報連携の枠組みが整備され、納付と経営改善・事業再生の両立を目指す取り組みが進む。一方、倒産増加が政治的にも問題視されたことから、関係機関による差し押さえの姿勢は軟化した状況が続く。社会的な要請に従ったこの対応で、公租公課を滞納する企業は増加しているとみられ、将来に向けて倒産増加の「火種」がくすぶり続ける状況になっている懸念がある。
掲載号 /週刊金融財政事情 2026年1月6日号