特集金利が変える金融[銀行業界編]

金利がある時代に模索すべき銀行のビジネスモデル

金利上昇だけでは、収益性の改善は見込めない訳

東洋大学 国際学部 教授 /野﨑 浩成

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金利上昇で銀行が儲かるという見方は、銀行業界や市場関係者の間でコンセンサスとなっている。ゼロ~マイナス金利政策において、マイナスだった預金スプレッドが短期金利の上昇によりプラスに転じることで、預金取扱金融機関の特権である預金が収益化されることは確実だ。しかし、預金者の行動変容や預貸率の低水準を踏まえれば、決して楽観視できる状況にはない。金利上昇が銀行にとって恩典になるかは、今後の経営戦略次第といえる。

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のざき ひろなり
86年慶應義塾大学卒。91年エール大院修了。博士(政策研究)。埼玉銀行、シティグループ証券などを経て18年4月から現職。近著に『教養としての「金融&ファイナンス」大全』(日本実業出版社)。米国CFA協会認定証券アナリスト。日経アナリストランキング1位(銀行部門、15年まで11年連続)。金融審議会専門委員(15、20年)、新しい資本主義実現会議資産運用立国分科会委員(23年)。