解説

金利上昇時代に明らかになる銀行経営の「優勝劣敗」

規模拡大で経費率を下げる再編は「勝ち組」となる一つの解

ありあけキャピタル 代表 /田中 克典

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日本銀行の黒田東彦総裁の下で金融緩和が行われた時代は、実は銀行経営にとって国債の含み益の実現や与信費用の低位推移によって当期利益が稼ぎやすい環境であったといえる。他方、今後の金利上昇局面では、資金利益の回復が期待される半面、債券の含み益がなくなる中で、今までと異なり経営の巧拙が反映される時代になる。その時に、金利上昇の果実を得て勝ち組となるのは、経費率が低く、粘着性の高い預金を多く持つ銀行である。規模を大きくして経費率を下げる再編は、勝ち組となるための一つの解となろう。

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たなか かつのり
01年にゴールドマンサックス証券に新卒で入社。約20年間、金融セクターのアナリスト業務に従事。20年に地方銀行に対してエンゲージメント投資を行うありあけキャピタルを設立。マネジメントと友好的な対話を行う中での企業価値向上を目指す。