特集転換期の日本財政【金融波及編】

深刻な財政悪化のなか金融システムに影を落とすYCC見直し

金利急騰で予期せぬ事態発生も、まずは過去の事例を教訓にせよ

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 主席研究員 /廉 了

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

主要国の中でも飛び抜けて財政悪化が進んでいる日本。足元では「財政ファイナンス」とも揶揄された日本銀行のイールドカーブ・コントロール(YCC)の限界が露呈し、見直しを迫る声が強まっている。仮にYCCを見直した場合、金利がジリジリと上昇する可能性は高まり、国内金融機関の保有債券の下落による自己資本の毀損など負の影響が生じるはずだ。急速な利上げが原因で破綻したといわれる米シリコンバレー銀行の例は決して「対岸の火事」ではなく、日本が見据えるべき現実の深刻さを物語っている。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

かど さとる
89年東京大学経済学部卒、同年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。企画部、経済調査室などを経て、15年6月から現職。専門は内外金融制度・金融機関経営。15年金融審議会「決済業務等の高度化に関するWG」委員を歴任。