特集徹底検証! 植田日銀の金融政策

日銀が視野に入れるYCC撤廃の「条件」

市場急変やセンチメントの悪化がなければ日銀はYCC撤廃に踏み切る

みずほ証券 チーフクレジットストラテジスト /大橋 英敏

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昨年末に実施された「長短金利操作」(イールドカーブ・コントロール=YCC)の修正により、債券市場は日本銀行による早期のYCC再修正(もしくは撤廃)を織り込みつつある。だが、新総裁に就任する植田和男氏の国会発言内容や日銀の制約条件に鑑みれば、これが実現するか否かは「条件」次第であろう。その条件は国内情勢のみならず、米国の長期金利など日銀の手が及ばない外生変数も含まれるため、YCC撤廃の実現は予断を許さない。

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おおはし ひでとし
91年日本生命保険入社、00年モルガン・スタンレー証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)でクレジットストラテジスト業務を開始。投資助言会社経営を経て、15年12月から現職。著書に『クレジット投資のすべて』など。